佐野畳屋、効率化を考えるの巻
[2017年1月19日 08時40分]
”昔ながらの工法に畳の真髄が詰まっている”
祖父が畳屋を始めた1952年。畳屋といえば手縫いが当たり前で、施主さん宅の庭先に畳台を据え、切る、縫う、絞める、といった全ての工程を畳職人が行っていました。
もちろん今ほど、枚数をこなせることもなく、時に施主さんと話し込んだりもしばしばだったようです。
時は流れ、時代とともに効率化が言われるようになり、畳業界も機械化、ロボット化が進み、取り入れられるようになりました。
それに伴い庭先の作業はやめ、畳は自宅工場に持ち帰り、即日仕上げは当たり前になってきました。
素材の良し悪し、工程の意味、職人の思い。
全てが工場に持ち帰り、よくわからないまま畳として出来上がってくるのです。
そのことに僕はずっと違和感を感じてました。
「畳は工業製品ではないんです」
畳床、畳表、畳縁、すべての素材にそれぞれ生産者がいて、
日々、色んな思いの中で届けられる。
畳が出来るまでの作業としての効率で言えば確かに今の方が数段に早く、安いのかもしれません。
しかしそれは企業として利益を一に考えた意味においてでしかないように感じます。
このロボを設備し、効率的にやればこの単価でも利益が出せる。
畳って一体なんなのでしょうか?
早く安くは大切な企業努力だと思います。
しかしそれは全て畳を通じた思いが伝わってからのことだと思っています。
畳について、
素材のこと、職人の思い、一針の意味、
そんなことを深く知ることで、
日本に文化として根付いてきた”畳”というものの
真髄を見ることが出来ると確信しています。
僕自身がそうでしたから。
畳を知り好きになって頂くということにおいて最も効率的なのは、
素材のことや、技術の意味のことを共有して畳にしていく、作業的に可能ならばお施主さん自身にも縫って頂くことなんだと、2016年の古民家再生での畳作りにおいて強く感じました。
ワークショップという時間で、そんなことが出来るなら、
もっとその畳のある空間をより深い意味を持って好きになって頂くことが出来ると思い、
2017年1月ワークショップ始めました。
まだ気持ちのみで、どういう風にやっていくのか、決まったらお知らせします。
僕は日本においてこんなに意味のあるわくわくする
仕事を他に知らない。
ほっこりしようぜ
おしまい
最近の記事
おすすめの記事
投稿はありません。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
カテゴリー
- いぐさのこと (36)
- いつも学び舎 (10)
- い草の伝道師の勝手にオススメ本紹介ブログ (2)
- お散歩が如く (3)
- お茶の道 (14)
- つくらしさんと描く夢 (2)
- つながり (87)
- テクノロジー (1)
- バスケット (2)
- 古民家と畳 (2)
- 夢授業 (1)
- 家族の風景 (33)
- 小上がり集 (1)
- 旅のコト (5)
- 松葉畳店×佐野疊屋 (1)
- 独り言 (367)
- 琉球畳 (3)
- 生産者さんとのコト (26)
- 畳の森-tatami forestプロジェクト- (1)
- 畳作りのコト (50)
- 畳替えをしたあとに読むブログ (1)
- 畳替えをする前に見てほしいブログ (23)
- 空間作りのコト(施工例集) (13)
- 経営理念 (10)
- 自分に問う (13)
- 自然素材と住まい (9)
- 路傍の畳屋さん (1)
- 音楽のコト (15)
タグクラウド
- 月間アーカイブ
- 年間アーカイブ
もし宜しければ、応援コメントなどを頂けたら幸いです。コメント、お待ちしております。(Facebookアカウントをお持ちでない方は、こちらをご利用ください。)