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ボクとい草の物語⑥

[2020年3月21日 10時41分]

 

久方ぶりの産地研修は、主に三つのことを学びと気付きをいただきました。

 

①い草にも色々特徴があること。

②品種によっても生産者さんによって仕上がりが全然違ってくること。

③天然表と化学表の大きな違い。

 

特に③のことを強く思いました。

 

産地でやっていることと、

畳屋がやっていることの価値観の相違。

い草産地で言う”畳”と、

畳業界でいう”畳”とのギャップがあることを感じました。

 

昨今、畳業界では、化学表と言われる畳表が大きく普及しました。

 

カビが生えにくい、色変わりしない。色んな色がある。

など、

 

今までの畳に対する疑問や不満を一掃するような感覚な商品が色んなメーカーから数々生まれてきました。

実際、私の畳屋でもすぐに取り入れ販売しました。

確かに色んなカラーがあり、カビへの対応は減りました。

 

しかし、私が再び産地を訪れ感じたのはそれらのことを大きく超えた感動でした。

 

”い草は自然と人の恩恵である”

 

そう。

そもそも自然からなる天然表と天然にはないものを表現する化学表は

同じ天秤では比べるものではない。

 

カビや色変わりは天然ならではの恩恵なんだ。

と気付きました。

 

そう考えると畳に求められるコトってなんだろう?

今想像しているニーズ自体が大きく違っているような気がしました。

 

今でも現場(畳業界)では、色んな価値観がありながらも、

天然表のものも、化学表のものも同じ“”畳として売られているのです。

 

色変わりしない、カビはほぼ来ない。という一方、

カビが生える。色変わりする。

という天然製品が悪いのか??

 

感覚的に言えることはたくさんありました。

作っている最中でも、まったく手触りや香りが違うから、

針の通り方や、風合いが違うなどなど

 

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再び産地に通うようになってから、

 

それらの感覚を、物理的に解明してくれる森田教授に出会いました。

森と同じ成分、フィトンチッドの存在。

癒し効果抜群のバニリン

 

数度の講演と、飲み会の中で色々なことを学んだのですが、

かいつまんで書くと、

 

カビは正しい対処法を知ることでその畳表が天然であることの証明にしかならないということ。

逆に免疫力を養うためにも多少はあったほうがいいとのこと。

 

色変わりは、紅葉とまったく同じ原理。

その時流と、趣を楽しむためのもの。であることと僕は思います。

 

 

少し偏ったポジティブ過ぎる考え方かもしれませんが。。。

 

化学表のとらえ方と全く違います。

カビはダメ。色変わりはダメ。

 

ではないんだと僕は思います。

利便性を求めるならば、むしろ畳でなくていい。

行き過ぎた利便性や効率化に疲れた時に、

そっと寄り添う自然の在り方が天然畳の素敵さなんだと思います。

 

僕は音楽が好きなので、畳と音楽を比喩してしまうのですが、

いい音楽も自然なモノだと思っています。

 

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心にそっと流れてくるような感覚に出会うとき、癒されたり感動してしまいます。

 

 

い草を作る人の思いを知ったとき、

い草の奥深さに気付いたとき、

 

 

その空間は唯一無二の存在となるのです。

 

 

 

僕とい草の物語⑦につづく

 

 

 

ほっこりしようぜ

 

 

 

 

おしまい

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