畳のある暮らし〜本物の定義〜
[2019年5月16日 23時12分]
こんばんは。
寒暖の差があります今日この頃、風邪などひいていませんか?
今日は久しぶりに畳の話。
飯塚市、旧伊藤伝右衛門邸前の古民家再生に携わらせていただきました当主には、
同古民家の畳の裏返しやご親戚の御宅の畳改修などいつもご贔屓頂き有難い限りなのですが、
今度は親父さんの家、古民家の二階、今回購入された改修と三件ものお仕事を頂きました。
使用させていただく材料は、古民家再生でも使用し、座談会にも駆けつけて頂いた
草野さんの”京の趣”
京都の職人さんが愛する趣を放つことからそう名付けさせていただき当店のブランド表とさせていただいています。
1期目14枚の張替えに伴い、12枚を機械仕上げ、
2枚をヘリ付け工程のみ手仕上げさせて頂きました。
そこで色々考えてみたんです。
「なぜテクノロジーが進化し機械仕上げが当然になった今敢えて手縫いをやるのか?」
修行でありました。
資格試験も手縫いですし、
今、まさに職人ありちゃんは試験練習としてやってもいます。
ただ手縫いしたからといってお客様の生活が機械縫いよりも幸せになるわけではないのです。
(ここ大事)
当社の取り組みとしてたまにやるお客様と一緒に手縫いで畳を作る場合は思い出と愛着という価値が加わり、その空間はスペシャルなものになると思います。
じゃあなぜ敢えてお客様のいない工房で手縫いでやるのか?
これは大きく3つの意味があると考えました。
1つ目は、練習。
試験練習でもあり、技能大会を目指すでもいい、何処かのイベントで手縫いやる時のためでも良い。
とにかく職人として自己研鑽の時間にあたります。
2つ目は、目利き力向上
これは前にも書きましたが、手縫いでやると畳表の良し悪しがよくわかる。
畳ベリの、畳床の良し悪しもよくわかるんです。
ずっと触ってるし、縫ったり切ったりする際に草も糸も藁も全ての素材がどんな状態であるのか、またどんな状態がいい素材なのかがわかるようになってきます。
そして3つ目。
これが一番大事だと思いますが、
感謝の心が芽生える。
1つ1つの素材に、生産者さんに、そして先代達に。
そうです。
思いの詰まった質の高いものは、使う人の人生を豊かに出来ると信じています。
技術、品質、思い
それらを高めて行くために僕らはいつの時代になっても手縫いをやる。
そしてこれからもずっと買ってくれた人の人生を豊かに出来るようなモノを提供していきたい。
今後仕事の領域が広がっていっても、このマインドは永遠に変わらず、
技術、品質そして思いを磨き、自己の成長が人々や地域の幸せに貢献していけるような企業にしたいのです。
これが僕なりに考えた手縫いの理由。
読んでくださりありがとうございました。
追伸、草野さん
京の趣は技術、品質、思い、全てにおいて最高の逸品です。
手縫いしながら語らっているかのような時間は幸せな時間でした。
これからも技術、品質、思いの詰まった本物が伝わるように、楽しみます。
ほっこりしようぜ
おしまい
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